特に必要はないことですが、余ったチェーンの切れっ端をばらしてみました。
一番上がアウタープレート。左が内側、右が外側。
その下の円柱がピンで、円筒がローラー。
そのまた下がインナープレートで、左が内側、右が外側。
一番下は、またピンとローラー。
これで一コマ分。
自転車の多段変速チェーンはブッシュレスになっていて、単体の部品としてのブッシュ(滑り軸受)はありません。
左右のインナープレートの一部(ピンがささる所)が内側にむかって短い円筒状に延びていて、軸受けの役目を果たしています。
正式名称を何というか知りませんが、インナープレートのこの軸受け部分を、ここでは「ブッシュ部」と呼ぶことにします。
チェーンで潤滑が必要な箇所は:
・アウタープレートとインナープレートの間
・インナープレートとローラーの間
・ブッシュ部とピンの間
の三箇所になります。
これらの潤滑が悪いとエネルギーのロスになりますが、特にブッシュ部とピンが摩耗すると「チェーンが伸びる」と言われる状態になってチェーンの寿命を縮める結果になるので、特に潤滑が大切と言えます。
(アウタープレートとインナープレート、インナープレートとローラーが摩耗しても、エネルギーの無駄にはなるけれどチェーンは伸びない。)
しかし、ブッシュ部とピンの間に直接注油することはできません。
注油して意味があるのは二箇所ですね。
ひとつは、アウタープレートとインナープレートが重なり合うところ。
アウタープレートとインナープレートの間の潤滑になるのはもちろんですが、インナープレートのブッシュ部まで油が浸透していくことが期待できます。
もう一つは、ローラーの端がインナープレートに接しているところ。
ローラーとインナープレートの間に油が入って潤滑するほか、ローラーの下の、左右のブッシュ部の合わせ目から油が浸透すれば、ブッシュ部とピンの間の潤滑になります。
今まで漫然とチェーンを見ていましたが、分解してみるとチェーンへの理解が少し深まった気がします。